即ち
接触及び摩擦と摩耗の科学を追及し
それらを制御するための技術を開発します.
さらに,それらの科学と技術に基づいた機械設計法を構築するとともに
これにより実現される高性能機械の創成を目標としています.
具体的な研究内容は,研究テーマ及び研究成果へ
「トライボロジー」は, 信頼性と耐久性に優れた機械を実現し,省資源と省エネルギーに貢献するのみならず
次世代の「高性能機械システム実現」の鍵を握る科学・技術です.
次世代の機械のための究極の「摩擦と摩耗の制御」
昔の機械は,摩擦と摩耗を抑制するために油を挿せばよかった.
使った油は,廃棄すればよかった.
油の使えない場所では,滑りやすい固体の膜(固体潤滑材)を塗っておけばよかった.
駄目になったら交換すればよかった.
小型化,高精度化,静粛性,特殊環境下での稼動.環境対応,...が求められる現代の機械では?
省資源・省エネルギー,信頼性そして機械の性能の鍵を握っている接触面に対しては,
高度な「摩擦と摩耗のアクティブ制御技術」が必ず必要になる.
それゆえ目指すのは,
「摩擦と摩耗のアクティブ制御」のための潤滑法の開発と
それを用いた「完全自己修復型潤滑システム」
次世代の機械のための「接触面からの機械設計」
従来の機械は,機械力学,材料力学,流体力学,熱力学をベースに「材料と形の設計」が行われてきた.
そしてその機械の要求性能に答える機械要素(しゅう動部)を設計・実現することが信頼性と耐久性に優れた機械のためのトライボロジーの役割であった.
しかし,従来存在し得ない高機能機械のためには,性能の鍵を握る「表面と接触面の設計」が必要不可欠である.
優れた接触面設計,優れた摩擦摩耗特性を発揮するための機械システム全体の最適設計が必要である.
「材料と形状の設計」とともに「表面と接触面の設計」を可能にすれば機械を変えられる
トライボロジーを考慮した機械の最適設計により,今まで実現できない機械の創成が可能になる.
目指すのは
摩擦と摩耗の制御に基づいた機械設計
-Tribologically-based Machine Design -
そしてこの設計により次世代の機械を創成する.これが,研究の基本概念です.
機械設計の扇
機械を設計するためには数多くの学問が必要です.それらの知識は,より大きな,よりきれいな扇(機械)を可能にします.しかし,立派な扇を完成するためには,扇の大きさ,美しさとともに要(かなめ)の部分が大切になります.要の部分がなくては,扇になりません.要の部分がよく設計されていれば,とても大きな扇でも壊れることはありません.
信頼性,耐久性そして性能の鍵を握るトライボロジーは,扇の要に相当します.
接触面が良く設計されている機械は,信頼性が高くなります.接触面で究極の特性が発揮できるように設計された機械は,今まで見たこともない機能を発揮する機械になるはずです.